研究紹介
Research
Research

中耳手術

音は外耳道から鼓膜、3つの耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)を介して内耳へと伝わります。伝音難聴は、鼓膜に穴が開いている、耳小骨の繋がりが壊れている、耳小骨が固くなっているなど、外耳道から内耳に到達するまでの過程で伝わりが悪くなることで生じます。代表的な疾患としては真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、耳小骨奇形、耳小骨離断、耳硬化症などが挙げられます。

当科では真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、耳小骨奇形、耳小骨離断などに対する鼓室形成術、耳硬化症に対するアブミ骨手術などを行っています。また重度の顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術や、外リンパ瘻に対する内耳瘻孔閉鎖術も行っています。

中耳手術は耳の後ろを切開して行う方法と、耳の前に小切開を行う方法、また耳の穴の中を切開し内視鏡を用いて行う内視鏡下耳科手術があります。どの方法で行うかは、病気の種類や部位・範囲、耳の穴の形状などを総合的に考慮して適切な手術方法をご提案しています。真珠腫性中耳炎や慢性中耳炎に対する鼓室形成術では解剖に基づき安全な手術、10年後の予後を見据えた手術を追求しています。またこれまで中耳手術は、顕微鏡での手術が中心でしたが、より明るい視野で、術者と助手・看護師などで同一視野を共有できる外視鏡も積極的に取り入れています。