研究紹介
Research
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霊長類モデル動物を用いた研究
慶應義塾大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室では、これまでに、齧歯類を中心に難聴の動物モデル研究を行っており、音響外傷や遺伝子改変動物の難聴・耳鳴の解析を中心に、多数の英文誌報告を続けています。
世界をリードする研究に加えて、国内外の基礎研究室との共同研究を推進し、海外留学などの人材交換を経て、日本の耳科研究をリードする学際的で国際性豊かな耳科医を多数輩出してきました。耳科診療でしばしば直面する「感音難聴は、治したくても治らない(治せない)」というジレンマを少しでも克服すべく、「臨床医が行う基礎研究」という視点と「臨床医ならではの感性・直感」を大事にして、「臨床的課題の基礎的解決」を目指しています。
近年では、よりヒトに近い実験モデル動物として、小型霊長類を用いた基礎研究を展開しています。ヒト臨床から得られた知見を齧歯類モデル動物に落とし込もうとした場合に生じる「種差」の問題を、ヒトと同じ霊長類であるコモンマーモセットを用いて小さくできないかと考え、コモンマーモセットを用いた内耳研究を展開しています。これまでに本動物蝸牛に関する基礎的データを集め基礎研究のプラットフォーム化に成功しています。遺伝性難聴研究・発生研究を中心に本分野において世界をリードしており、今後の更なる発展が期待されます。